旅行などでとにかく安く食費を抑えたい方にとって庶民派大衆食堂は大変強い味方です。とにかく安く食べることができますし、お腹がいっぱいになります。しかし、日本人旅行者には少し高い壁が存在します。それはズバリ注文についてです。テーブルにメニューが無く、写真のように注文カウンターの壁にあるメニュー板を見て注文しなければならないからです。
では、さっそく庶民派大衆食堂について見ていくことにしましょう。
テーブルにメニューの無い庶民派食堂の利用方法
庶民派食堂の流れを簡単に書くとこんな感じになります。
まずは注文カウンターで注文を
食堂の入口を入ると直ぐにある注文カウンターでの前払い注文が基本となります。
テーブルにメニューがないので写真のように注文台の後ろの壁にある文字だけのメニューから選び注文する必要があります。これが少し大変です。
食べたい料理を伝え、お金を渡すと、レシートとお釣りを渡してくれます。
それを持って空いてる座席を探します。
レシートをホールスタッフに渡す
着席すると、店員が向こうから来てくれることもありますが、呼ばないと来ないことも多く、日本のように行儀よく待っていると10~20分注文が通らないこともあります(笑)。
店員が来ない場合は、中国語が話せなくともレシートを持ち、見えるように振れば来てくれます。
この写真は注文カウンターから遠く離れた厨房のカウンターです。料理の写真が貼ってありますが、遠すぎて指をさして伝えることは不可能です(汗)。お客はここへ行くことは基本有りません。
レシートは注文票を兼ねているのでなくさないようにしてください
注文はレシートで管理しています。
店員さんがレシートを上下に切り分け、そのうちの一つをテーブル番号の入った洗濯ばさみにハサミ、厨房に持っていきます。
残りの1つをそのまま机に置いていきますので、飛ばされないようにご注意ください。
料理を持ってきた順に店員が爪で机にあるレシート上の料理名を消していき、すべてを揃ったらそのレシートを回収していきます。
なのでまだ持ってきていないものがあれば、レシートを持て行かれないように注意してください。まだそろっていないのに「揃ったでしょ」と言って持っていくことがありますので(汗)。
注文には中国語が話せなくとも何とかなります
さて、初めに書いたように、庶民派食堂の一番の壁は注文カウンターでの注文です。壁に掛けられた文字だけの看板を見て注文しなければなりません。
メニューブックのようなものがあれば、「これ。これ。・・・」と、意思表示できますが、離れた距離にある壁に掛けられたメニュー板を指さし注文してもなかなか伝わりません。
そこで、簡単ないくつかの中国語単語だけを覚えればなんとか注文できます。
注文にはこれだけ覚えれば何とかなる
昔中国語がほぼ話せなかった頃は、「上から2列目の、左から5番目」っといった簡単な中国語だけでほぼ問題なくいけました(笑)。
店員さんは後ろを振り返って対応してくれます。外国人だとすぐわかるので嫌な顔をせず対応してくれました。
実際こんな感じで言っていました
「我要・・・从上边第2个,从左边第5个的」
ここで覚えたのは数字と簡単な数個の単語のみです。
数字
一,二,三,四,五,六,七,八,九,十
(イー、アール、サンー、スー、ウー、リュウ、チー、バー、ジュー、シー)
数字については日本の漢字と同じですし、読みも日本人でもほぼ知っているのでこれは易しいですよね。
例外
例外は何にでもありますよね。
日本語の日にちを表す場合「20日」を「にじゅーにち」とは言わず「はつか」と言いますよね。
数字の「2」ですが、中国語では「二」(アール)なんですが、個数を表すときは「两」(リャン)となります。
しかし、今回のように「〇番目」という場合は、第二个(ディ アール ガゥ)というふうに、通常の数字となります。
なので「2番目」・・・という場合は「第二个」
「2個」・・・という場合は「两个」
注文に関して言えばこれぐらいなので、外国人が個数の場合でも二本の指を示して「アール」と言っても問題なく通じると思います。
個数を表す場合には
日本語の何個という場合の「個」ですが、中国語では「个」 ( ge / ガゥ )となります。
餃子の王将で厨房に注文を通すときに聞いていると・・・。
「ソーハン イー ガー、エンザーキ リャン ガー」
中国語に直すと「炒飯一个、エンザーキ两个」(チャーハン1個、から揚げ2皿)など、聞き覚えのあるかともいらっしゃると思います。
しかし・・・
「餃子の王将」のスタッフ用語は中国語とは違うのでご注意を
例えばここで例に出した、個数を表す「イー ガァ / 一个」は(発音は多少違いますが)そのまま使えます。
困るのは料理名の方です。炒飯は中国語では「チャオファン」となるので、王将用語の「ソーハン」とは異なります。似てる気もしますが(汗)・・・。まず通じないと思います。
青椒肉絲という料理がありますが・・・日本語の字に起こすと「チンジャオロースー」とほぼ同じになりますが・・・アクセント(声調)がなく言うと、まったく通じません(汗)。経験済みです(笑)。
中国語は声調(音の抑揚)が重要な言語なので、悲しいことに生半可、本で勉強しても通じないんです。なので、旅行などのためであれば、おすすめはネット動画などでネイティブの方の中国語を耳で覚えるほうが確実に相手に通じるはずです。
文法のペーパーテストを受けるわけではないので、こちらの方が何十倍も実用的です。
「エンザーキ」って何?
中国語で「エンザーキ」というのを聞いたことがなく、地方の方言なのか・・・?疑問に思っています。
鶏のから揚げであれば「香酥鸡/xiang’su’ji」とかですかね?「シャンスージー」と「エンザーキ」??違う料理なのか?
次に行きます(笑)。
方向語
上(shang/シャン)、下(xia/シャー)、右(you/ヨウ)、左(zuo/ズゥオ)
「上」は上海の(シャン)なのですぐ覚えられますよね。
方向を示す語の後ろに「边(bian/ビエン)」をつければ大丈夫です。
例:上边(shang bian / シャン ビエン)、下边、右边、左边
範囲を示す
从(ツォン) ~から
「从上边第二个」というように言っていました。
到(ダオ) ~まで
到(ダオ)は注文の際は使わないのですが、セットでいろいろな場面で使うので一緒に書いておきました。タクシーや道を聞く際に度々使うことになります。
意思表示
我要~(ウオ ヤオ)
私は~が要ります(欲しい)。
不要~ (ブー ヤオ)
いりません、~はいりません。
続けて次のものを注文するときには
「还有」(ハイヨウ) 我要 A 还有 B ~
あと・・・、その他に・・・
了承・確認
注文の最後に「可以吗?(クゥーイー マ)」と、確認されるので、「可以(クゥーイー)」と答えれば注文は完了です。
可以吗?(クゥーイー マ)
(いいですか?)
ちなみに「~吗?」(~マ)は語尾につけて疑問形になります。
可以(クゥーイー)
(いいです、OK、以上です)
最後の「的」
「的」(ダ)
日本語では「~的」(~てき)っといった使い方をしますが、
中国語では「~の」という意味になります。
注文を会話形式にすると・・・
我要・・・从上边第2个,从左边第5个的。还有从上边第1个,从左边第6个的。
可以吗?(以上ですか?)
可以(はい以上です)
在这里吃吗?(ここでたべますか?)
在这里吃。(店内で食べる) / または 打包。(テークアウト)
こんな感じとなります。
店内で食べる場合は「在这里吃(ザイ ジェリ チー)」
大衆食堂の場合テークアウトも多いのでよく聞かれます。ちなみに中級以上のレストランであれば注文前に席に着きますから注文時に聞かれることはまずありません。
短く簡単なので、一つの塊で覚えた方がいいと思います。
一応分解して説明だけしておくと・・・
「在(ザイ)」(~で)
「ここで食べます」の「~で」の部分となります。
「这里(ジェリ)」は(ここ/この場所)
「ここで食べます」の「ここ/この場所」の部分となります。
「吃(チー)」は「食べる」
「ここで食べる」の「食べる」の部分となります。
この「吃」は日本のラーメンのCMなどで「好吃」(ハオチー)や(ハオツー)と言ったのを聞いたことがある方もいると思います。日本語で「おいしい」の意味です。
ちなみに「ハオチー」と「ハオツー」の違いは訛りによるもので、標準語(ほぼ北京語)では「ハオチー」です。南の方に行くと「ハオツー」という人が結構おり、地方出身者で年齢が高めの人にその傾向が強いように思われます。
最近の20代以下の若者の中国語(標準語)は整っているというか・・・「ハオツー」という人はあまりいないように思われます。
テークアウトの場合は「打包」
最後の「打包」とはテークアウトのことで、容器は有料ですがプラスチックのしっかりしたものに入れてくれるので安心です。有料ですが1個当たり日本円で¥10円前後、3つでも¥30円前後なので安いですよね。
こんな感じに詰めてくれます。この上に同じ材質の半透明のプラスチックの蓋をかぶせてくれますのでご安心を。受け取る際には箸の確認を忘れずに。
- 箸は「筷子」(クゥアイ ズ)
- スプーンは「勺子」(シャオ ズ)
- テークアウトは「打包」(ダー バオ)
- です。
以上こんな感じになります。次回はメニュー板の料理をいくつかピックアップして書きたいと思っております。